パレスチナ/イスラエル──民衆の共存に向けた歴史の見直しを
■日時 2007年3月9日(金)開場18時15分・開始18時30分
■場所 文京シビックセンター(26階)スカイホール
[所在地]文京区春日1ー16 ー 21
[地図]
http://www.mapfan.com/m.cgi?MAP=E139.45.19.3N35.42.16.5&ZM=11
[交通]東京メトロ丸ノ内線・南北線「後楽園」駅下車、徒歩3分
都営地下鉄大江戸線・三田線「春日」駅下車、徒歩3分
■講演 イラン・パペ (ハイファ大学〈イスラエル〉・歴史学教授)※会場逐次通訳あり
■解説 臼杵 陽(日本女子大学文学部・歴史学教授)
■参加費 1000円(資料代として)
1948年のイスラエル「建国」宣言と第1次中東戦争から、来年(2008年)で60年になります。そして今年は、1967年の第3次中東戦争から40年です。中東「和平」のためとして提案されてきた様々な「2つの民族のための2つの国家」案は、破綻と頓挫を重ねてきました。
さらにイスラエルは、2001年「9・11」以後のアメリカ合州国ブッシュの「対テロ世界戦争」をも格好の口実として、占領支配を強化してきました。分離壁の建設と「一方的撤退」政策がパレスチナの土地の囲い込みと封鎖を強めるなかで、パレスチナ人たちに強いられているのは「出口なし・選択肢なし」という絶望的な状況です。
しかしブッシュの「対テロ世界戦争」はイラクで泥沼に陥り、一方イスラエルもシオニズムと徹底した軍事主義の実践にもかかわらず「平和と安定」を実現できていません。
それにもかかわらず日本は、アメリカの「対テロ戦争」を支持して自衛隊を中東地域に派兵し続け、またイスラエルに対しては、その軍事占領を批判しないばかりか、逆に2国間関係の拡大・強化を目論んでいます。
中東・東アラブ地域における、歯止めなしの核拡散と更なる破滅的な戦争の可能性を前にして、1948年から、そして1967年からの歴史を、他ならぬ私たち自身の現代史の不可分の一部として捉え返す作業が必要だと考えます。
そして、こうした私たちの問題意識からの注目点の一つは、1990年代に入って登場した「ニュー・ヒストリアン」と呼ばれる人々の存在です。これらの人々は、イスラエル建国の「歴史」を実証主義的な研究に基づいて検証するなかから、パレスチナ人虐殺の事実やパレスチナ難民発生の具体的なプロセスを明らかにする努力を続けてきました。
なかでも、この度の来日を機に講演していただくイラン・パペさん(プロフィール参照)は、イスラエル国家を支えるイデオロギーとしてのシオニズムそのものを批判する立場を表明し続けてきたことで、パレスチナ人の間でも高く評価されています。
今回の講演では、限られた時間ではありますが、イスラエルの「建国神話」に対抗する歴史見直し論議について、また民衆の共存に向けた展望についてのお話を伺いたいと考えています。ぜひ参加してください。